孤独について その1 孤独とはなにか
2014.03.20
先週、大阪府豊中市で開催された福祉住環境サミットに参加してきました。
株式会社こころみも出展させてただき、大変好評いただきました。
また私も、分科会で「離れていてもつながる心 ~独居高齢者の孤独と解決方法」というタイトルの講演をさせていただきました。
本日から全3回で、講演から抜粋して孤独全般について簡単にご紹介させていただこうと思います。
まず。
孤独と聞くと、いい意味を感じる方はいないでしょう。
この事実をご存知でしょうか?
孤独は死に結びついている
孤独による死のリスクは、肥満の2倍以上。統計的に明らかに人間の健康を損ねるものという研究結果があります。
気持ちの上で辛いだけでなく、実際に命を削るのです。
- 孤独とは?
そもそも孤独とは何か、少し考えてみましょう。
いろいろな考え方があると思います。ひとりぼっちでいること。話相手がいないこと。
なかには集団の中にいても孤独な状況があると考える方もいらっしゃるのでは。
むしろそういう場合のほうが多いかもしれません。
私は、孤独とは精神的なつながりがないことだと考えています。
かつ、自分が他人と繋がっていないと感じること。
つまり孤独感を覚えることが孤独。
- 孤独感とは?
では孤独感とはなんなのでしょうか?なぜ人は孤独感を覚えたりするのでしょうか。
孤独感を覚える時、それって辛い時ですよね。
心が痛みます。
そう、孤独感とは痛みなのです。
- 痛みとは?
では痛みとは何でしょう。
動物が痛覚を持つ理由。
それは身体に損傷が生じたり危険が生じているから、
その状況から逃げろという体から脳へのメッセージです。
孤独感とは、危険を知らせる脳へのメッセージという事になります。
- 孤独はどんな危険?
では孤独はどんな危険なのでしょうか。
今の世の中、孤独でもなんの危険もないですよね。孤独な状態で何年も暮らすことができるのだから。
孤独が危険だったのは、そう、昔の話です。
大昔、400万年前に人類がアフリカ大陸で、森林から出て恐る恐る二足歩行を始めたころの話。
そのころ、非力な猿の一種だった人類の祖先は、草原に既にいるより強い肉食獣から身を守り、
食料を確保するためには、群れで行動するしかありませんでした。
群れから離れたり、集団から恩恵を受けられないことは、即、死を意味していました。
だからこそ、孤独になると脳に緊急信号が送られ、「群れへ帰れ!仲間にかまってもらえ!」
と指令が下ったのです。
そして我々は、等しくそうして生き残った祖先の血を引き継ぎました。
現代。現代は、孤独になって群れから離れても、お金さえあれば衣食住に困ることはありません。
身体の危険は孤独によってもたらされたくなったのです。
それでも一人になると、群れへ帰れ!という信号が、痛みとなって心に響いてくるのです。
まとめると。
孤独とは、過去の人類が生きるために必要だった、群れに帰れ信号を感じること
なのです!
さて。
前述のとおり、今の世の中、孤独でも構わないはずです。
なぜそれが健康に直接害を及ぼすのでしょうか?
孤独感が健康に害を及ぼす仕組みについて、次回考えてみたいと思います。