年齢別人口推移と高齢化率
2013.11.13
勉強会にお招きいただき、プレゼンテーションとディスカッションのリードを勤めさせていただきました。
その際に作った資料を一部公開させていただこうと思います。
ものすごくシンプルに、日本の高齢者問題を考える上で、年齢別人口推移と高齢化率をグラフにしてみました。
よくあるチャートですが、より全体観が分かるように、時期を長く前後100年ずつ、200年間で作成しました。200年間全て含むチャートは、ありそうでなかったと思います。
高齢化率というのは、人口に占める65歳以上の割合のことで、国連ではこれが7%ー14%を高齢化社会、14%-21%を高齢社会、21%以上を超高齢社会と呼んでおり、
現在の日本の高齢化率は24.1%。2007年から超高齢社会となっています。つまり、すでに日本は高齢化を終えているということです。
将来については国立社会保証・人口問題研究所の中位推計を用いています。
こうして200年というスパンで見ると今まで何となく頭で考えていたものがはっきりと見えてきます。
ものすごい人口の減り方で、2110年には大正時代より少ない人口になるとか、14歳以下の人口の少なさとか。
また超高齢社会の問題の本質が、「老人の数が増えること」ではなく「人口が減少すること」なのが感じられるのではないでしょうか。
これからの日本という国のかたちや対応すべきことを考え始めると、この図を眺めているだけで1時間や2時間はあっという間に過ぎてしまいそうです。
出生率、移民政策、エネルギー政策、国債が暴落したら・・・うんぬん。
語りだすとキリがなさそうですが、あくまでビジネス目線でいち経営者としてこのグラフを見て思ったのは特に以下です。
「高齢者向け市場は拡大するが、それ以上のペースで64歳以下の市場が減少する」
かなり前から「今後は高齢者市場が伸びる」と言われていますが、あわせて「既存市場は縮む」ことも考慮しなければ本質を見誤ってしまうでしょう。
すなわち
- 中小企業やベンチャーの場合:高齢者市場をメインターゲットと置く場合、同業種の既存企業が64歳以下の市場から高齢者市場に本格参入する前提で競合優位性を確立しなければ、競争により排除される
- 大手企業の場合:高度成長期の成功体験を抱えているが、今までにない規模で顧客の質が大きく変化する。その変化に対応できる組織に変わらなければ縮小は免れない
ということだと思います。
更に、この図を考える上でもう一つ気を付けないと行けないのは、「高齢者」をひとくくりにすることの危険性です。
60台と80代では消費者としても意味が全く異なるのはもちろん、時代で見ても同じ年令の持つ意味が変わっていることに留意する必要があります。
これについては、別途書かせていただこうと思います。