こころみが事業承継を行う理由
2025.03.08

私たち株式会社こころみは、「聞き上手」でコミュニケーションをデザインすることを企業のVISIONに掲げています。「聞き上手」とは単なる傾聴スキルではなく、相手の言葉の背後にある思いや課題を深く理解し、共感を持って受け止める力のことですが、それだけではありません。誰しもがかけがえのない価値を持っていること・それを共有できる社会が望ましいと考える姿勢そのものを示します。私たちはこの「聞き上手」を活かして、企業のさまざまな課題に向き合ってきました。
そのような中で、株式会社こころみは2022年に企業向け研修会社であるヒューマンエナジーを、2024年にはフランチャイズマッチングサービスのフランチャイズWEBリポートの事業承継を実施しました。なぜいま「事業承継」に積極的に取り組んでいるのでしょうか。
こころみがやりたいこと
こころみのMISSIONは、「誰しもが持つかけがえのない価値が共有される社会をつくる」です。企業であれ、組織であれ、個人であれ、誰もがかけがえのない価値を持っている。それを少しでも世の中に共有し、価値を認めあえる社会にしたい。そう考えています。
一方で、日本企業では経営者の高齢化が深刻な課題となっています。中小企業の社長の平均年齢は60歳を超え、多くの企業で後継者不足が叫ばれています。もし事業承継がうまく進まなければ、長年培ってきた技術や雇用が失われ、「大廃業時代」とも言われる大量廃業のリスクが現実味を帯びてきます。実際、2025年までに100万社以上が後継者不在により廃業の危機に瀕すると予測する声もあります。これは働く人の活躍の場という意味でも、事業から生み出されている価値という意味でも、かけがえのないものが失われていることにほかなりません。
こころみは、それらのかけがえのない価値を、自らのグループとして受け入れ、発展させていくことが、自らのMISSIONに合致していると確信するに至りました。
こころみの事業承継の特徴
こころみの事業承継には、次のような特徴があります。
・聞き手としての徹底した理解
こころみの承継では、まず経営者や従業員の話を徹底的に聞くところから始まります。承継後のビジョンを伝える前に、相手の価値観や経営に対する想いを十分に受け止めます。こころみが事業承継を支援したあるケースでは、全従業員と1対1の対話をするところから支援を開始しました。
・人を軸としたスムーズな引き継ぎ
財務や法務はもちろん重要ですが、私たちは何よりも人とその背後にある思いを重視します。従業員や顧客が新たな環境に違和感なく馴染み、これまで以上に活躍できるような環境づくりを心掛けています。
・変革を支える心理的安全性
事業承継後、企業が競争優位性を維持するためには、今までの過去を断ち切り、企業変革を行う必要があります。一方で、今までの働き方を変えることには常に抵抗感があり、特に経緯を知らない新しい関係者が入ってきたところでは、抵抗感がより強くなることもあり得ます。それに対して、「聞き上手」であることは、従業員の自己肯定感を高めることを可能とします。それにより、変革に対して前向きになることができるのです。
ビジネスにおけるコミュニケーションの重要性
事業承継だけでなく、あらゆるビジネスシーンでコミュニケーションは欠かせません。私たちが日常的に行う意思決定のほとんどが、実は「聞くこと」に依存しています。相手の本音を理解すること、情報を正確に把握すること、そしてそれを判断材料として活かすことが求められます。だからこそ、こころみが持つ「聞き上手」の能力は、事業承継だけでなく、あらゆるビジネスシーンにおいて役立つのです。
最後に
こころみが事業承継を行う理由は明快です。「聞き上手」としての強みを最大限に活かし、社会的に意義のある課題解決を目指しているからです。私自身、2022年には名古屋の企業向け研修会社ヒューマンエナジーを、2024年にはフランチャイズマッチングサービスのフランチャイズWEBリポートを事業承継しました。これらの経験を通じて得られた具体的なエピソードは、また次回以降のブログで詳しくご紹介します。
聞き上手を強みとした事業承継について、ぜひ今後も注目していただければ幸いです。
株式会社こころみ 代表取締役 神山晃男