運転よりも買い物が怖い 高齢者の交通事故

2013.09.18

今日は、高齢者の交通事故について考えみたいと思います。

ニュースなどを見ていると、高齢者の方が高速道路を逆走したとか、思うように免許証の返納が進まないといったものを見ます。
車を運転する高齢者の方がそれまでの習慣を変えて運転を辞めるのに抵抗感があり、今までと同じ感覚で運転を続ける→事故が発生。

- 郊外・田舎に住んでいる方が多く、自動車が必須で手放せない
- 今までの習慣を変えること自体に強い抵抗感がある
ー 今まで出来たことができなくなることを認める行為であり、受け入れられない

といった要素があるようです。
こうした問題に対してどう対処すべきか考えるべく、まず統計データを見たのですが、優先順位の高い問題はその前にあるのではないかと思い始めました。

まず、政府広報オンラインの交通情報に関する情報です。(以下のグラフはHPからの転載)

 

「交通安全意識の浸透や自動車の安全性能の向上などにより、交通事故による死者数は年々減少傾向にある一方で、65歳以上の高齢者が占める割合は年々高くなっています。」
ということです。

それはいけない。また、その高齢者の事故を起こした時の状態ですが、

歩行中が約半数、自動車が約1/4となっています。この比率が高いか、低いかの判断は難しいところです。
というのも、これは「亡くなった方の割合を分類」しているので、例えば「高齢者の方が若い方を撥ねて死なせてしまうケース」などは見えてこないからです。
よって、交通事故全体に占める、高齢者ドライバー由来の事故はもう少し多いのかもしれません。
その意味で、高齢者の方の運転、および免許証の取扱は慎重にすべきかと思います。

一方で、私は歩行者が半数を占める、ということはもう少し意識したほうがいいように思いました。
他の統計データによると、

ーー

死者数を状態別にみると、歩行中(構成率37.0%)が最も多く、次いで自動車乗車中(同32.1%)となっており、両者で全体の3分の2以上を占めている。

ーー

一方で、

ーー

高齢者の死者数を状態別にみると、歩行中が半数近く(構成率49.0%)を占め、次いで自動車乗車中(同26.1%)、自転車乗用中(同16.1%)の順に多い。

ーー

となっていますから、高齢者にとっては若い方よりも歩いているケースのほうが危険、ということでもあります。
もちろん高齢者の方のほうが運転をしない方がいらっしゃるので当たり前と言えば当たり前ですが、
交通事故死者の半数が高齢者、その半分が歩行中の事故、ということで、交通事故死者の1/4は歩行中の高齢者ということです。
「高齢者にとって交通事故と言ったら、まずは歩行中の事故を注意すべき」
という点を頭に入れておくべきと感じました。

特に、自分の気づかないうちに身体機能(体力および判断力)が衰えることによって生じる、

ー 夕方など視界が悪い時に横断歩道でないところを渡るなどする。特に右見て、左見てという確認のスピードも落ちていることに気づかないなど
ー 信号が変わりそうでも、自分の足の速さを過信して無理に渡ってしまう
ー 近所近くの道路で、いつも信号無視してわたっているので同じように渡ってしまう(今までは耳で車が来るのを感じられていた)

などなど、確かに危ないケースが多そうです。ご家族による注意喚起も必要そうです。
また自分が車を運転する際にも、特別の留意が必要だと改めて感じました。