孤独は慣れる

2013.05.30

佐藤眞一先生にお話を伺った際に印象に残った言葉です。

kodoku

 

孤独は慣れる。

 

人にとって、孤独は辛いものです。誰かと話をしたい、自分の気持ちを誰かに知って貰いたいと言う欲求は自然なものです。
ところが、それが叶えられずに長い時間ひとりでいると、その状態に慣れてしまい、自分が辛いと思わなくなるそうです。

 

慣れるのならば、それでいいのではないか。そう思わせてしまうところが、孤独の怖いところです。
以前、新橋でインタビューをした際にも、別居中の親御さんに関してこう仰っている方がいました。
「連絡はあまり取らないね。向こうも連絡を求めてないし、逆に連絡ないほうが、ひとりで気楽で心地いいみたい」
確かにそういう印象の方もいらっしゃるのですが、実はこれが問題なのだそうです。

孤独は慣れて自覚しなくなるが、孤独の状態は継続して悪い影響を及ぼす。
人と接することがなくなると、人の気持が分からなくなる。すると、怒りやすくなったり、自分の感情をコントロールすることが難しくなる。

確かに、一人暮らしの気難しいおじいちゃんが、スーパーのレジなんかで些細なことで異様に怒っている姿、見ます。
これが孤独の結果なのです。

また、孤独・孤立している方は、認知症になる確率が有意に高いそうです。
これは単に話をしないために脳の機能が落ちるということに加え、
自分を律することがないため食事や睡眠、運動の時間や内容が不規則になったりすることも影響しているそう。

また、アルコール中毒になる可能性も高まるそうです。

高齢者の一人暮らしを、気楽な隠居暮らしと捉えたくなりますが、
隠居暮らしであっても、外の世界との接点を如何に維持するかが重要だと感じた次第です。

周りの人間は、本人は言う「自分はこれで満足だ」という言葉を
鵜呑みにしてはいけないのかもしれません。