少子化とは”少従妹化”でもある
2016.06.13
2015年の出生率は若干上昇して1.46とのこと。
出生率、2015年は1.46に上昇 21年ぶり高水準(日経新聞)
なによりではありますがフランスなどと比べて依然、低いのは否めません。
これからの日本社会の最大の構造問題であることは間違いないところです。
さて、そんな少子化ですが、ミクロで見たときに、地味だけれども無視しきれない大きな問題があると感じています。
それは「少従妹化(少いとこ化)」です。
考えてみれば当たり前です。一人当たり出生数、つまり兄弟の数が減るわけですから、従妹の数も減るわけです。
ただし、減るインパクトが大きい。4人兄弟にそれぞれ4人の子どもがいると従妹は(兄弟を除いて)12人。
ところがそれが、2人兄弟に2人の子どもだと、なんと2人。6分の1です。
2015年の出生数だと、1.46人に1.46人の子供。1.46x1.46=>2.13。平均1.46人の兄弟なので差し引き、0.67。一人いるか、いないか。
そのうち、従妹がいる方が珍しい時代になるかも知れません。
もちろん親の兄弟の数は当時の平均兄弟数になりますから、実際はここまで極端にはなりませんが。
それでも70代、80代の方だと、そもそも親にも自分にも兄弟が7人、8人いるので従妹が何人いるかと言った話題になりません。
数えられないのです。
団塊の世代の方とお話をしていても、従妹は十何人いるのが当たり前。
私は結構従妹が多くて、11人いました。私の世代だとかなり多い方ですね。
私の子供の従妹は、5人。これもまあ多い方ですが、5人いれば多いなあという感じではないでしょうか。
確実に従妹の数は減っていると感じます。
そんな従妹ですが、みなさん、従妹って「ちょうどいい感じ」だと思いませんか。
兄弟ほど近すぎず、また年も兄弟よりちょっと離れていたりして、すごくお兄さんだったりお姉さんだったり。
と思えば、小学生になってから赤ちゃんと接する機会ができたり。
たまに親経由で、頑張ってあの大学入ったよ、と聞いてやる気が出たり。
従妹の結婚式が初めての結婚式出席という人も多いのでは?
そんな従妹がいなくなってしまう。
よく考えると、従妹だけではありません。おじ・おばの数も減り、はとこも減り、
要するに親兄弟以外の「親戚」が減っていくのです。
それが意味するところ。
それは、「家族内の問題の緩衝材がなくなること」です。
もともと家族間、とくに親子関係は難しいと、たびたび申し上げてきました。
親子の間に立つ人
そして、その親子関係に入れるのは、双方の立場を知る第三者なのですが、
親戚がその役割をとるケースが多くありました。
片方の愚痴を聞く相手としても。
そんな存在がいなくなることで、緩衝材がなくなってしまう。
「家族」という構成要素に含まれる人数がどんどん減っていること。
それが少子化のもう一つの側面なのです。
なにより、ちょっぴり寂しいですよね。
少子化と言われた時に、親から見た子どもの数以外にも失われているものがあることに気づかなくては、と感じた次第です。