親子の間に立つ人

2014.06.17

親と子のコミュニケーションには、第三者が間にいたほうがいい。そう強く思う様になりました。
hato

弊社サービス「つながりプラス」は、離れて暮らす親御さんとご家族の間に立って、コミュニケーションを活発にする会話特化型見守りサービスです。
サービスを提供していて最近、気づかされることがありました。

弊社サービスをご紹介すると、「今は親子の間でもそういうサービスを使う時代なんだね」「親子の関係性も変わってきたんだね」といった感想を伺うことがあります。
そのたびに少し違和感を感じていたのです。

弊社サービスを利用される方は、もともと親御さん思いの方がほとんどです。
そして、サービスを開始してから親子の間のコミュニケーションが活発になるのです。
皆さん「今まで話できてなかったことが聞けるようになった」「きっかけができて連絡しやすくなった」とおっしゃります。

仲のよいご家族であっても、たとえ一緒に暮らしているご家族であっても、親子の直接のコミュニケーションは難しい。
親子の間には複雑な問題や感情があって、常にそれを直接コミュニケーションすることは、難しいのです。
説教になってしまう、愚痴を聞いてられない、何度も同じ話を言う、それでいて変なところを遠慮していたり、都合悪いことを隠してたりする・・・

弊社サービスは、単に子どもに代わってお話し相手になるものとは大きく違っていて、
直接言いにくいことやなんとなく言わないことをお伝えすることができる。
それがあるから、連絡を取りやすくなったり気兼ねなく話ができるようになる。

いままでの親子は、こんな難しいことを第三者抜きでできていたのだろうか?と、素朴な疑問があったのです。

先日、田舎で三世代にわたって暮らしている方の話を伺って気付きました。

じつは、「親子の間に立つ人」は大昔から存在し直接言いにくいことをそれとなく教えてくれていました。
でも親子が離れて暮らし、その人がいなくなってしまったのです。

地元で昔からひとつところに暮らしている三世帯同居の方の場合。
なんだかんだでいろいろな方が家庭に関わっています。

たとえばおばさん。よくわからない親戚の人。代々隣のご近所さん。
こうした方が、直接言いにくいことを伝えてくれたり、それとなく気をつけたほうがいいことを教えてくれたりしているのです。

「お母さん、最近顔色悪いけどどうしたの?」
「このまえ、息子が大学行きたがってるって嬉しそうに話してくれたよ。お金どうするのって怒っちゃったって反省してた」

これには重要な前提があって、その方が、親御さんとお子さん、両方のことを知っていることが必要です。
さらに、なにげなく顔を合わせたときに知らせてくれる、そんな関係と物理的近さも必要です。

親子が離れて暮らすと、こうした方が役割を果たせなくなります。
親御さんの周りにはそうした方は変わらずいるのですが、お子さんとつながる機会がなくなってしまうのです。
そもそもあえて電話したりして伝える内容ではないことが多いですから、話す機会はまずないでしょう。

すごく世話焼きの叔母さんが、甥・姪に対して色々伝えてくれるようなケースもあるでしょうが、
今度はその甥・姪の状況を見ていないので、理解できていないことが多い。
そうすると忙しい事情があるのに理解できずに「もっと田舎に帰って来い」など一方的なアドバイスになってしまいがちです。

両方の事情を知っている人でないとコミュニケーションの媒介の役割は果たしにくいのです。

さて、そんなわけで、
・昔から親子の間のコミュニケーションには第三者が入って媒介の役割を果たしていた
・第三者は親子双方を知っていることが前提。親子が離れて暮らすことで条件を満たす人がいなくなってしまった
ということだと気づいたのです。

ここに今離れて暮らす親子の関係の難しさがあります。
でも世間一般では、「親子のことは親子で話すべき」という考えが一般的で、
他人が入ることを快く思わない風潮があるため、自分だけでなんとかしなければ、と思いがちです。

しかし。昔から親子のコミュニケーションは難しく、二者間だけでは完結できないものだったのです。

弊社「つながりプラス」を利用いただいている方から、第三者がいることで親と向き合うことができるようになりました、
とおっしゃっていただいたことがあります。

親を他人に任せるサービスではなく、親御さんと今までよりしっかり向き合うためのサービス。
親子の関係を今までよりも気軽に、風通しのよいものにする。
そんな風に弊社サービスを捉えていただければと考えております。