ロボットに魂を吹き込む人びと| 脚本家・舘そらみさんとこころみ代表・神山晃男の対談(第4回/全5回)

2022.12.06

スマートスピーカーと話していると、彼らが話す言葉は全部AIが考えているんだろうなと思うことがあります。が、実際その言葉の多くは人間が頭を悩ませながら考えているんです。ロボットの姿形をつくるデザイナーや、ハードウエアやソフトウエアをつくるエンジニアがいるように、話し言葉にもそのプロがいます。では、プロがつくるとロボットの言葉はどうかわっていくのでしょうか?
今回は、テレビドラマや映画の脚本、また劇団の主宰者でもある「話し言葉のプロ」舘そらみ(だてそらみ)さんと、ロボット・スマートスピーカー・チャットボット向け会話シナリオ開発を行う株式会社こころみ代表の神山晃男が「ロボットの会話づくりになぜ脚本家が必要なのか」をテーマに話し合いました。
脚本のセリフとロボットのセリフの違い、セリフのつくりかた、セリフの効果……2時間の対談で話は一度も止まらずに爆走します。5回にわけてお届けする「ロボットに魂を吹き込む人びと」。今回はその4回目「ロボットの会話シナリオに脚本家の力が必要な理由」です。難しいプログラミング用語も数式も出てこない、ロボットのカクカクしたイメージをまるーくお伝えします。

対談の動画もYouTube「こころみ公式チャンネル」にアップしていますので、ぜひご覧ください! 2人のテンポ良いトークは映像で見るとより楽しめます♪
▶︎YouTube ロボットに魂を吹き込む人々第4回「ロボットの会話シナリオに脚本家の力が必要な理由

<目次>
ロボットに魂を吹き込む人々
第1回 ロボットのセリフって誰かがつくっているの?(配信中)
第2回 ロボットの会話の失敗と成功(配信中)
第3回 ユーザーの反応から気づいたロボットがもたらす効果(配信中)
第4回 ロボットの会話シナリオに脚本家の力が必要な理由←★今回はココ★
第5回 ロボットと人の関係をつなぐストーリーの力 12月13日(火)配信予定
※2人のプロフィールは文末をご覧ください。

ロボットと人のコミュニケーション

神山  現時点では、ユーザーさんのキャラクターによって話す内容を変えるロボットというのはありませんね。ただ、われわれもチャレンジはしていきたいと思っていて、徐々に始めているところなんです。そらみさんは、そういうロボットは実現可能だと思われますか?

そらみ  できると思います。2回目でも言ったように、わんぱく度合いを何パーセント、積極度合いを何パーセント、というふうなケース分けはもうやっていることなので、そのパーセンテージをいじれば、ロボットの会話は何パターンでもつくることができますから。

神山  人間のコミュニケーションも、そういうふうにしているものなんでしょうか。

そらみ  そうでしょうね。

神山  本能的に?

そらみ  本能的に、ですよね。

神山  この人相手だと、ポジティブ要素多めで話した方がいいとか?

そらみ  めちゃめちゃしてますよね。私も、今日はいっぱい喋っていい日だけど、さすがにさっきちょっと喋りすぎたから聞くターンに回ろうかな、とか変えています。(笑)

神山  わかります。

そらみ  なんか、そうやって手綱を取ってるんですよね。
昔の話なんですが、私、以前ホテルでロボットの「中の人」になったことがありまして。

神山  ホテルでロボットの中の人?

そらみ  はい。「ロボットを置いているホテル」を売りにしようと考えているホテルがあって、そこでどういうロボットを置くかどうかを考えるために、1回実験をしたんですよ。

神山  へえ! どういう実験ですか?

そらみ  モニターさんが宿泊する部屋にロボットを置いて、そのロボットが喋ることを、私が別部屋でマイクに話すんです。私が話した言葉が、そのままロボットの口から出てくるっていう。

神山  それだと、とてもナチュラルに喋ることになりますよね。

そらみ  そうなんです(笑) だからバレないように、ロボットっぽく喋りました。そのときに、ロボットの会話には正解がないな〜、と思ったんです。

神山  正解がない。

そらみ  はい。というのも、本当にいろんな層の人が来るんですよね。年齢も性別もいろいろです。そんなお客さん全員の満足度を上げようと思ったら、キャラとか考えていられなくて、本当に一騎打ちなんですよ。だてそらみの人間としてのコミュニケーション能力を最大発揮しないと無理!となりました。

神山  そうしないと、相手を喜ばせられないということですか?

そらみ  そうなんです。たとえば、あるモニターさんにいっぱい喋っていたら「うるさい」って言われたから、黙ってみたんですね。でももちろん、ずっと黙っているわけじゃなくて、顔色を伺って「あ、ちょっと寂しそうになってきたかな」と思ったら、擬態語や擬音語を入れてみた。そうしたら、この人はちょっと心開いてくれた。なるほど〜、みたいな。

神山  大変だ。

そらみ  でももちろん、「うるさい」っていう人だけじゃないんですよね。いっぱい喋らないとダメな人もいますから。もう本当に、人によるなって思いましたね。

神山  人間同士のコミュニケーションというのは、すごく難しいことをたくさんやってるんですね。

そらみ  すごいです。まあ難しいことをたくさんやってるからといって、うまくいくわけじゃないですけどね(笑)

神山  そうなんですよ。

高倉健ロボットと明石家さんまロボット

神山  なかには、どういう状況でもどういう相手でも変わらない人っているじゃないですか。

そらみ  「高倉健タイプ」ですね(笑)

神山  あはは(笑)そういえば打ち合わせの中で、「高倉健ロボット」っていうコンセプトを1回出したことがありましたね。

そらみ  ありました。

神山  実際はそうかはわからないですが、私たちがイメージする「高倉健という役者さん」をロボットのキャラクターにしたんですよね。

そらみ  喋らないし、媚びないんですよね。

神山  そうですそうです。「自分不器用ですから」と言って、周りに合わせたりしない。

そらみ  「高倉健ロボット」は、コミュニケーションのボールを自分で操ろうとしないキャラクターで、すべてを場や相手に委ねる存在、ということですね。

神山  いわゆるコミュニケーション上手といわれるような、気を遣えて相手が心地よく会話を転がせる人と高倉健タイプは真逆ですよね。高倉健タイプは聞いてほしいことは聞かないし、ほしいリアクションもくれない。だけど、どっちのコミュニケーションがいいかっていうと、一概には言えないなと思うんです。むしろ、人は高倉健を大好きだったりするし。

そらみ  そうなんですよ。

神山  難しいですよね。なんなんでしょうね。

そらみ  わかりやすい比較をすると、明石家さんまさんと高倉健さんみたいな。

神山  確かに(笑)それは対比としてわかりやすいですね。

そらみ  みんながさんまさんでも困っちゃいますしね。

神山  世の中全員がさんまさんだったら本当にややこしい(笑)

そらみ  疲れちゃう。

神山  明石家さんまロボットを相手に毎日話すのも、けっこうしんどくなるだろうな。

そらみ  そうですね。それに、さんまさんのような、「超」コミュニケーション上手といわれている人って、答えを持っている上でコミュニケーションをしていると思うんです。自分の想定する会話があって、そこから逸脱したら、「あれちょっと違うな」と思っちゃう。でもたぶん高倉健タイプは、それがないんですよ。どうなってもいいよ、という身軽さがある。だから話す相手としては、高倉健タイプは楽だろうなと思いますね。

神山  会話がどうなっちゃってもいいんですよね。ブツって突然終わってもいい。

そらみ  ぜんぜんいい。(笑)

神山  うちの会社が行う「聞き上手」の手法では、「無理に明るい方向に話を持っていかないでください」というルールがあるんですよ。もちろん、話し手がそういう話をしたいならいいんですけど、人によっては暗い話をしたいときもあるし、喋りたくないときもある。そういうときに無理にポジティブにしちゃうと、話し手が本当に話したいことを引き出せないんです。生産性のある会話に常にできるとしても、しないっていうのはすごい大事だと思ってますね。

そらみ  めちゃめちゃ大事ですね。本当に大事なことをやられてると思います。それが自然にできてる高倉健タイプって強いな。なかなか、ああはなれないです。

神山  わかります。

人の核がコミュニケーションの取り方に直結する

そらみ  いわゆるコミュニケーション上手の人のなかには、気をつかう人や、いろいろなことを気にする人がコミュニケーション能力を磨いて、上手ぶっている場合もあるんじゃないかなって感じるんですよね。

神山  うーん、「気をつかう」って、どういうことなんですかね。
ちょっと批判的な言い方をすると、嫌われたくないという感情が、「気をつかう」ということにつながる気がしませんか? コミュニケーション上手といわれるけど、それが、相手にとっていいコミュニケーションなのかどうかは微妙ですよね。

そらみ  本当ですよね。しかも自分が嫌われたくない、にプラスして、その場にいる人たちにいい思いをしてほしいというような、他人ベクトルの気づかいもあるじゃないですか。それっていいことのような気もしますけど……うーん、難しい。
ちょっとくらい嫌な思いをしたり、面白くなくても別にいいじゃん、という考え方もありますよね。ある意味、高倉健タイプの方が、人を信じてるとも言えるかも。どっちがいいよね、ということではないですけど。

神山  難しいですよね。
そういった意味で、究極のコミュニケーションって存在するんでしょうか? 今の話だと、なさそうな気もしますね。

そらみ  この時代をうまく渡っていけるようなコミュニケーションはあると思いますけど、それがいいコミュニケーションなのかはわからないですね。たとえば、「人たらし」っているじゃないですか。

神山  いますね。

そらみ  そういう人は、ラッキーな側面はあると思うんですけど、いいかどうかはわからないですよね。

神山  コミュニケーションの取り方自体が、「その人そのものでもある」ということなんでしょうか。

そらみ  そう思いますね。その人自身が「どう生きたいと思ってるのか」とか、「どう他者に影響を及ぼしたいと思ってるのか」っていう、その核みたいなのが、コミュニケーションの取り方に直結してますよね。

神山  そうですね。だからこそやっぱり、ロボットをつくるときも、「このロボットはなんでコミュニケーションを取りたいと思っているのか」というバックグラウンドストーリをつくることが大切になってくるんですね。

そらみ  そこに繋がった。(笑) そうです、われわれはずっと、ロボットのバックグラウンドストーリーを愚直につくっています!(笑)

神山  つくってますね。しかも、どのプロジェクトでも毎回、「つくらせてください」とお願いしてます。

そらみ  クライアントさんは、「いや、それいらないだろう」ってなりますけどね。

神山  そうなんです。「このロボットがやることは明確だから、ただシナリオを書けばいいじゃないですか」と言われるんですけど、お願いして実際につくらせていただくと、「よかったな」と思っていただけることが多いですね。

そらみ  わかります。

神山  やっぱり、バックグラウンドストーリーがあるかないかで、ぜんぜん違いますから。人間と同じですよね。人間も、「その場にこの人がいる理由」っていうのがないと。

そらみ  本当にそうだと思います。だってもしここに、なぜいるのかわからない人がいたとして、その人がどんなにいいこと言っても、ちょっと受け入れられないですもん。

神山  「あなた、なんでいるんですか」ってなりますね。

そらみ  ひと言「どう言う人物か」と言ってくれればぜんぜん変わるんですけどね。

神山  「大学のコミュニケーションの先生です」とか、そういうバックグラウンドストーリーを教えてくれれば、「ああ、だからそういうこと言いたかったのか」って納得できる。

そらみ  結局人間っていうのは、自分が腑に落ちないことはダメなんですよ。

神山  そうですね。

そらみ  聞き上手のメソッドの中に、「相手の発言を、自分の言葉に置き換えて反復する」というのがあるじゃないですか。

神山  あります。「言い換え」ですね。

そらみ  あれ私、すごい困るな〜と思ってて。

神山  困るんですか?

そらみ  私が使った言語とその人が「言い換え」して使った言語は違うので、それで正解と思われても困るというか。

神山  あはは(笑)でも確かにわれわれの方法論では、原則として「言い換え」はしないようにしていますね。相手が言ったことを「おうむ返し」するようにしています。言葉というものは、違う言葉に置き換えると絶対にずれるので。

そらみ  そうですよね。

神山  もちろん、「おうむ返し」にしたところで、私が言う「悲しい」とあなたが言う「悲しい」というのが同じかって疑問は残るんですけど、でもせめて同じ言葉を使わないと、どんどんずれちゃいますから。

そらみ  わかります。「言い換え」ができてるって思っちゃったら、相手が言ったことを自分が理解できてるかのような錯覚に陥っちゃいますよね。

神山  そうですね。理解できたと思っちゃうのは危険です。それが一番危険ですね。

そらみ  答えは1個じゃないですから。

神山  コミュニケーションにおいて、理解できたと思わないことは大事ですね。

ロボット作成に脚本家の力は必要?

そらみ  ロボットに脚本家の力は本当に必要なんでしょうか? というのも、ロボット製作を仕事とする人と、私みたいな職業の人間が持っている何かっていうのは、すごく違う気がするんですよね。

神山  違いますよね。だからこそ、必要だと思います。ロボットを事業としてやろうという人間は、なかなかそらみさんのような発想にはたどりつかないんですよ。
普段事業をやっているだけだと、考える時間がないから思い至らない。今日話してきたなかで出てきたような、「無駄なことを喋る」とか、「理解したつもりにならない」とか、「緊張感を与えない」とかいうのは、ある目的地に向かってコミュニケーションを取ろうとしたとき、絶対に必要なことなんですが、普段事業だけやっているとまったく自覚しないし、それを考えることに時間を割かないんですね。

そらみ  へぇ〜。すごく面白いです。

神山  そうなんですよ。

そらみ  あの、信じがたいかもしれませんが、脚本家の打ち合わせっていうのは、1回あたり5時間とか7時間とか普通にやるんです。

神山  え! それは長いですね。

そらみ  そう、長いんですよ。しかもその5時間7時間の中のほぼ90パーセントくらいは、感情とか感覚の話をしてるんです。「普通ならここでこういうこと感じるかな」とか、「私だったらこれじゃちょっと頑張れないです」とか、「今まで刺さった口説かれシチュエーションってどんなのがありますか?」とか(笑)

神山  そうか。その時間、どういう気持ちになるかの話しかしていないんですね。

そらみ  そうなんですよ。でも神山さんは、感情とか感覚を考える時間が日々の中で取れないっておっしゃったじゃないですか。私は打ち合わせのなかではそれを考える時間しか取ってないから、他の皆さんが打ち合わせで何を喋ってるのかちょっと不思議ですね。何を喋ってるんですか? 喋ることあります?

神山  たとえば、このシステムを刷新しようとしたときに、この製品を導入した場合とこの製品を導入した場合にコストがどれくらい違っていて……とか。

そらみ  ぜんぜん喋ることありますね(笑)

神山  あるある(笑)いっぱいあります。でもそういうときに、このソフトとこのソフトだと、どっちが好きかっていう話は基本ないですね。する人もいますけど。

そらみ  すごいなぁ。私たちの打ち合わせは、ほぼ確実に自分主語で語るんですよ。「自分の感覚でしかわからないよね」っていう大前提があるので、「私はこう思う」しか言わないんです。本当に、ぜんぜん違いますね。

神山  うん、ぜんぜん違いますね。

そらみ  自分がどう思うかじゃなくて、多くの人にとってどうかってことなんでしょうか?

神山  そうです。たとえばBtoCの商品とかだったら、もっと人の気持ちの話をしてるかもしれないけど、その「人の気持ちの話」っていうのは、決して自分の気持ちではないんですよね。人間心理に基づいての人の気持ちなので。

そらみ  なるほどなるほど! そっか。あの、私今すごく納得したことがあります。

神山  なんですか?

そらみ  たとえばさっきみたいに私が、「自分の感情のことしか喋ってないんです」って言うと、「自分のことしか考えてないやん。自分のことは1つの要素でしかないから、そんなんでこの世の中の人がどうとか測れないでしょ」って返されることがあるんですよね。私はそれに、すごく違和感があったんです。でも今、その違和感の正体がわかって納得しました。

神山  どういうことなんでしょうか?

そらみ  確かに私は、打ち合わせでは自分の思いでしか語らないんですけど、別に今ここにいる「だてそらみ」の思いで語っているわけではないんですよ。もしアフリカで育った少女の話だったら、リサーチをめちゃめちゃした上で、アフリカの少女としての私はこう思うかなって、アフリカの少女の「だてそらみ」の感覚を喋るんです。

神山  なるほどなるほど。

そらみ  だから、たとえばある商品のターゲットがどう思うか、という話をするときも、そのターゲットを限りなく理解した状態の、ターゲットが憑依した状態の私が「こっちが好きだ」と感じているので、確実に自分の感情ですが、もう少し使える自分の感情、というか。自分の感情ですありターゲットの感情ですね。

神山  それはそうだと思います。優れたマーケターとか、商品開発や企画の人というのは、実際にそういうことをやってるんですよね。自分がお客さんだったらこうしてほしい、ということを考えて商品や企画を出しているから、うまくニーズに応えることができる。

そらみ  ロボット製作において、そういう考え方をする役割の方っていないんですか?ユーザーさんを客観視するのではなくて、自分がユーザーさんだったらと置き換えて、その意見を確信を持って言えるような存在ですね。

神山  近い存在はいると思いますね。企画担当の人も、「利用者がこう思うだろうなぁ」というのをイメージまではできるかもしれないですけど、言葉として表現しきれないことはあるかもしれない。

そらみ  そうなんですね。

神山  そこはやっぱり、そらみさんは唯一無二の存在なんじゃないかな。
それに言葉の持つ力を操るのって、やっぱり難しいですよね。たとえば、「こんにちは」という単純なあいさつの持つ安らぎや、「ぎゅっとしてほしいな」という言葉が持っている破壊力だとかを、微調整しながらつくっていく。そのあたりのセンスというのは、一般の人にはないですよね。

そらみ  なるほど。それって、経験なんでしょうか。

神山  経験や、どれだけそれで成功してきたかというのもあるんじゃないでしょうか。そらみさんにお願いしたシナリオは、私の狙い通りにいいもので嬉しいです。だって、どうしてわざわざ劇作家にロボットのシナリオを書かせるの?という問いに対して、「ほらやっぱり劇作家入ると、普通じゃないいいものがつくれるでしょ」って言えますから(笑)

そらみ  ありがとうございます。(笑)

神山  ただ、ここまでいいものができるというのは、予想していなかったところではありますね。最初のころは「いろんなバリエーションの会話」だとか「あるネタをおもしろおかしくした会話」という、ある程度決まった状態での依頼の仕方でしたけど、最近は違いますから。「こういう印象を相手に持ってもらったことによって、相手にこういう気持ちの変化が起きるような文章がほしい」という話を、打ち合わせの前段階でさせてもらっています。そういう目的なら、こういう会話が必要だねという話ができるのは、本当に予想を超えてきているなと思いますね。

そらみ  嬉しいです。これからもがんばりますね。

……つづく

>>最終回の第5回「ロボットと人の関係をつなぐストーリーの力」は12月13日(火)配信予定です。

プロフィール

■舘 そらみ●だて そらみ
脚本家。劇団「ガレキの太鼓」、青年団演出部所属
東京都生まれ。幼少期よりトルコとコスタリカで暮らす。慶應義塾大学在学中に演劇を始め、大学時代にバックパッカーとして世界一周。卒業後、一般企業での就職を経て、劇団「ガレキの太鼓」を立ち上げる。一般の住居を使った「のぞき見公演」など実験的な上演を重ねて、その作風は新聞に「徹底して無責任で刹那的」と評された。映画脚本「私たちのハァハァ」(2015年公開)はゆうばり国際ファンタスティック映画祭2冠を受賞。テレビドラマ脚本、コラム連載も手がけ、全国の小中高生への演劇ワークショップも多数実施するなど活動は多岐に渡る。現在は、住居や活動拠点を1箇所に決めずに、日本各地、海外など各地を転々とする生活を送っている。秋から冬にかけて、2本の連続ドラマが放送中。「私のシてくれないフェロモン彼氏(TBS)」と「恋と弾丸(MBS)」。
■神山 晃男●かみやま あきお
株式会社こころみ代表取締役社長
1978年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、コンサルティング会社勤務を経て、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズに10年間勤務。コメダ珈琲店、ウイングアーク1st等を担当。2013年「すべての孤独と孤立なくす」ことを目的に株式会社こころみを設立。一人暮らし高齢者向け会話サービス「つながりプラス」、親のための自分史作成サービス「親の雑誌」やインタビュー社史作成サービス「創業の雑誌」を提供する。
2017年より、高齢者会話メソッドによるロボット・スマートスピーカー・チャットボット向け会話シナリオ開発サービスの提供を開始。株式会社NTTドコモが提供するクマ型ロボット「ここくま」の開発支援や、モバイル型コミュニケーションロボット「ロボホン」を活用した自分史作成のサービスの企画を担当。