私たちは戦争に反対します

2022.02.27

私たちは戦争に反対します。
いかなる理由があれ、武力による威嚇または武力の行使に反対します。
 
暴力を行使した相手の合意を得ない現状変更、人の命および財産を損ねる行為はあらゆる状況において否定されるべきであると考えます。
 
日本という国および国民は、77年前まで戦争を行っていました。私たちは「親の雑誌」を通じて、戦争に関わった人たち、戦争に影響を受けた人たちのお話を伺い、想いをまとめてきました。
 
様々なかかわり方があり、様々なお話を伺いました。原爆投下に巻き込まれた方々。東京大空襲のお話。沖縄本島での悲惨な状況。特攻隊の候補に選ばれた方、兵隊として人を殺した方に涙ながらにお話いただいたこともありました。戦後の苦しい生活や、シベリア抑留のお話もお聞きしました。
 
一部、「親の雑誌 電子版」 にて戦争体験を読むこともできます。
 
お話された皆様に共通しているのは、戦争は二度とあってはならないという強い思いです。私たちはサービスを通じてお客様のお話をまとめる立場ではありますが、そうした立場を通じて、戦争とはあってはならないもの、という強い主張に確信を持っています。
 
私たちにできることは多くはありませんが、戦争に反対を示すこと自体は、必ず行わなければいけない行為の一つであると考えます。
 
一方で、戦争はすべての当事者にとって、正義と正義のぶつかり合いであることも事実です。どちらにも言い分があり、どちらも当事者である限り正義のために戦っていました。そのこともまた、親の雑誌を通じてお話を伺う中で学んだことです。日本が侵略戦争をしていると信じていた方々は、私たちがお話を伺った方の中にはいらっしゃいませんでした。実際に反戦運動をしていた方々がいらっしゃったのは事実ですが、ごく少数派であったということと認識しています。
 
であればこそ、お互いの立場を想像し、相手の言うことに耳を傾けること、これも止めてはならないことだと考えます。聞き上手であることは、困難な状況であったり、解決の糸口が見えないとき、お互いに信頼関係がない時にこそ、重要です。ここでいう聞き上手とは、だからといって戦争を是認することであるとか、相手に譲歩することではありません。受け入れられないものは受け入れられないもの、拒否するものは拒否したうえで、相手方が何を求めているのか、なぜこのような行動をとっているのか、その背景にある根本的な思想はどのようなものなのか、想像力を働かせることです。
 
このような状況であるからこそ、相手方を単純な悪とみなすのではなく、どのような背景と現状認識に支えられているのかを冷静に考え、相手方の声に耳を傾け、解決策を模索できればと願っています。
 
そして繰り返しになりますが、それは暴力の正当化にはつながりません。一刻も早く戦争状態が終結することを願っていますし、戦争当事者に対して反対の声を上げ続けたいと考えています。
 
株式会社こころみ 代表取締役 神山晃男