認知症と無関係な人が知っておくべき3つのこと
2013.12.05
今日は認知症についてです。
認知症はなる前の準備・なった直後の行動が一番重要ですが、いざ自分や近い人がその立場にならないと情報を得る機会もないと思います。
そこで本日は、「認知症と無関係なうちに知っておくべき3つのこと」として一番重要なポイントだけ、まとめておきたいと思います。
1.日本の認知症は「800万人」
NHKスペシャルの特集タイトルに800万人と入っていることもあり、これから一般化してくるかと思います。正確には840万人ですね。
以前ブログにも書きましたが、この数字は今年の6月に入ってから倍増しました。
正確には認知症およびその前駆症状(MCI)の合計が840万人ですが、高齢者人口3、000万人から考えると、誰にでも起こりえる数字であることが分かります。
またMCIを除いた認知症の有病率は、65歳以上で9%、85歳以上で27%ですので、特に順調に長生きをすれば認知症になる可能性はぐっと高まるということも覚えておきましょう。
要するに、「長生きをすれば誰にでも起こりえる」ということです
2.早期対応ができる
一番多い誤解は、「認知症になってしまったらどうしようもない。なりゆきに任せるしかない」というものです。
最も数の多いアルツハイマー型認知症は、早期であれば進行を止める薬があります。
ものすごく乱暴に言うと脳細胞が余分なタンパク質の影響で縮んでしまうので、そのタンパク質の働きを止める薬です。
縮んでしまった脳細胞は元に戻せませんが、進行を止めることができるのです。
他にアルツハイマー以外の認知症で、早期発見の場合は手術が有効で治療可能な認知症もあります。
いずれにせよ、「早期に発見・対応すれば進行を止めたり治療が期待できる」のです。
3.生活習慣病と捉えるべき
あくまで脳と言う器官の機能不全です。私は医者ではないので言い方が不適切かもしれませんが、生活習慣病として捉えると分かりやすい。
つまり、運動不足や栄養の偏りによって脂肪やコレステロールが蓄積されて糖尿病や高血圧症を引き起こすのと同様、
脳細胞を使わない生活(=脳の運動不足)、栄養の偏りや運動不足によって脳細胞の萎縮やアルツハイマーの原因となるタンパク質が蓄積されて認知症を引き起こすのです。
(もちろん生活習慣病と同様、どう対応しても発症してしまうことはあり得ます)
脳はあくまで体の一器官ですから、他の器官と同様に適切な刺激を与えて変なものを蓄積させなければ健康な状態を長く保つことが可能です。
「運動・栄養・脳への刺激によって、前向きに予防することが可能」であり、過度に恐れたり不安になるよりは、日々の生活を健康的かつ積極的に送ることが何よりの予防になるのです。
まとめますと、
日本の認知症は「800万人」、誰にでも起こりえる
早期に発見・対応すれば進行を止めたり治療が期待できる
生活習慣病。運動・栄養・脳への刺激によって、前向きに予防することが可能
これだけ覚えて、日々の暮らしを前向きに、いざ何かあっても動じないように暮らしていきましょう。
おまけ
よく、「認知症になってしまえば全て忘れてしまうのだから本人はいい気なものだ」ということを言う方もいらっしゃいます。
確かに認知症が進行し、重度の認知症になるとそういう状況は起こりえますが、特に初期の段階においては、スポットで記憶がなくなります。
全く見の覚えのないうちに身の回りのものが動いていたり、大金が無くなったり、誰かが自分に対して激怒していたり・・・
実は自分がやったことなのですが、それ自体が完全に記憶から抜け落ちているため、こういった出来事は相当な恐怖、不快な思いとして実感されます。
少なくとも認知症の初期段階は、自覚症状のあるなしにかかわらずご本人にとっても辛い、ストレスの多い時期なのです。
こうしたことをより多くの方が認識し優しいまなざしを送ることが全ての人が暮らしやすい社会を作る為に重要だと私は思います。