認知症およびMCIは高齢者の1/3
2013.09.03
本日(2013年9月3日)の日経新聞に、以下の記事が出ておりました。
訪問看護などのミレニア、認知症の可能性を電話で検査
(会員でないと読めないかもしれません)
概要、以下のような報道内容です。
1.ミレニア社が新たに認知症を電話で発見できるサービスを開始 参考:ミレニア社のHP
2.厚生労働省の推計では国内のMCIの高齢者は約380万人で、認知症の高齢者は約460万人
3.認知症への進行を遅らせるためには、MCIの段階での発見と対策が重要とされ、ミレニアはテストで早めの受診や相談につなげる
ミレニア社の様な取り組みが今後より一般的になることを願うものですが、今回の報道のされ方は非常に重要でもあり、この2番目、3番目のポイントをもっと一般の方に知っていただくことが重要ではないかと感じました。
2番めのポイントは、今年の6月に厚労省が発表したデータにもとづいていますが、この数字の感覚を持っている方はあまりいないのではないかと思います。
65歳以上の高齢者約3,000万人のうち、認知症の方が460万人、MCI(軽度認知症:正常と認知症の中間状態)の方が380万人で、合計840万人の方が認知症およびその予備軍ということになります。3割弱の方が認知症および予備軍という事実をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
なお、今までの統計では、正式に認知症という診断を受け、介護制度を利用していた280万人という数字しかありませんでしたので、一気に3倍に増えた事になります。
リンクは厚労省の発表資料です(なぜか厚労省の資料では認知症の方の数が440万人となっていますが・・・)。
もちろん、より軽度の方を加えている数字なので急に認知症の方が増えたということではありませんが、それだけ身近なものであるというメッセージとして受け止めるべきでしょう。
また、今までの統計との差分で新たに出てきた160万人の中には、実際は認知症であるにも関わらず病院に行っていない、適切な治療や対策を受けていない方がいらっしゃるということです。こうした方にしかるべき対応を行っていくことが極めて重要です。
その意味からも、3点目もより周知されるべきポイントです。
認知症は早期発見によって、対応・対策を講じたり、進行を遅らせることが出来るケースが多くあります。治療することが可能な認知症も存在します。
私が周囲の方とお話していると、この点についてご存知の方は少なく、「認知症は防げない、薬は効かない」と思っている方が多くいらっしゃいます。
根本的な治療が難しいケースが多いのは事実ですが、薬によって進行を遅らせ、適切な対応で生活を今まで通り送れたり、本人や周囲の負担を増やさない対策は可能です。
その意味で早期発見が極めて重要ですが、その認識が一般に周知されているとは思えません。
・認知症は、中間段階も含めて高齢者の1/3が対象。不必要に恐れる必要はないが、加齢とともに起こりえるものという認識が必要
・ただし、早期発見によって適切な対応、治療が可能である。効果的な薬もある。早期発見が極めて重要
という点を、是非周知していくべきと改めて感じました。
あわせて、弊社としても「見守りプラス」による、「ご本人に気づかれない認知症診断」の全国展開を早期実現したいと考えております。